遺品整理・特殊清掃のくらしサポートでございます。

孤独死やゴミ屋敷など、汚れや臭いが壮絶な現場をきれいにするのが「特殊清掃」の役割です。社会問題になるほど、孤独死やゴミ屋敷の現場が増えているからこそ、なんとなく特殊清掃についてのイメージを持たれている方も多いと思います。

そのイメージの多くが、「腐敗した部屋の清掃が大変そう」「臭いの対応が難しそう」というものではないでしょうか。確かに、そのイメージは正しくて、当社でも一番苦労するのがこの2点です。他の業者に依頼しても満足行く結果にならず、消臭・除菌のみをご依頼いただくこともあるほどです。

しかし、特殊清掃が必要な現場には、もう一つ戦わなければいけない敵があります。

特殊清掃と害虫駆除

それが、タイトルにもある通り「害虫」です。必ずと行っていいほど、特殊清掃の現場と害虫問題は関係しています。

ゴミ屋敷の場合

例えば、ゴミ屋敷。部屋中がゴミに埋め尽くされている状況ですから、ゴキブリやネズミといった害虫・害獣の巣になっているということは想像に難くないと思います。特に、長年放置されたゴミ屋敷現場では、ゴミがゴミを呼ぶような状態で、腐敗した生活ゴミで衛生環境は最悪。こういった案件の場合は、ゴミの処分より先に害虫への対応を行うことが何より大切になります。

なぜなら、ゴミ屋敷を清掃する上で、害虫が近隣の方の大迷惑になることが多いからです！住処を失った害虫たちが、一斉に逃げ出したら…想像するだけで怖い事態になります。築地市場の移転に際しては、その近隣住民がゴキブリやネズミの増加を恐れているといいます。住処を失うというのは、それほど周辺環境に大きな影響を与えるのです。

孤独死現場の場合

発見が遅くなればなるほど、孤独死現場の対応は難しくなります。ご遺体の腐敗が進み、その分部屋の汚染が進むからです。こういった案件の場合は、ご遺体にハエやウジが沸いている事がほとんどです。私たちが直接御遺体に触れるわけではないので、作業する時点ではある程度害虫の状況は改善していることもありますが、一度発生した害虫は、簡単に処分できるものではありません。布団や絨毯もあるので、次々増えている…という現場もあります。

衛生的にも問題があるので、現場の清掃と合わせて害虫駆除も徹底して行う必要があります。

建物にダメージが有る場合も

害虫のトラブルと言うと、衛生面や精神的な面でのダメージが大きいのが心配ですが、場合によっては、建物にも大きな被害を与えかねません。

例えば、ネズミが大量発生していたら、電線をかじられて漏電・ショート・火事を引き起こす可能性があります。

また、シロアリ・キクイムシ・シンバムシといった、畳や梁、柱、石膏ボートなどに巣を作って広がり、建物にダメージを与える害虫もいます。これらの虫がいる場合は、部屋の中におがくずのような破片が散らばっているので、ひと目で分かります。お部屋の所有者や管理者の方も気づいていないことが多いので、こちらから駆除のご提案をして喜ばれることもあります。

こういった問題は、何もゴミ屋敷や孤独死現場に限りません。遺品整理や空き家整理をご依頼いただいた際に、長年誰も住んでいなかった家屋で作業をすることがあるのですが、その場合も、害虫トラブルが発生するケースも見られます。