認知症対策としての「家族信託」
遺品整理・特殊清掃のくらしサポート でございます。
「家族信託」という言葉を聞いたことはありますか？これは、終活の一環として、財産関係の整理のために選択する人が増えている方法です。
遺言よりも気が楽で、エンディングノートよりも効力があるのが「家族信託」。多くの財産を持っている人は、この対策を行うことで節税や争族対策にもなります。
今回は、家族信託についての考え方をご紹介します。
家族信託とは
家族信託とは、「家族に財産を託し、管理や処分を任せる」という仕組みです。平成19年に生まれた比較的新しい制度です。
大きなポイントは、「財産の管理権だけを移す」という点。所有権が移る訳ではないので、生前贈与などとは全く違った新しい管理方法となるのです。「所有権が残る」とはどういうことかと言うと、家族が所有者名義の不動産を売却・賃貸した場合でも、その代金はすべて所有者のもとに入ることになります。
以前主流だった「生前贈与」では、所有権まで移るので（”贈与”するので、所有者のものではなくなります）、不動産からのお金が得られなくなり、老後の収入が得られなくなるというデメリットが有りました。また、贈与ということで、多くの税金も発生します。
こういった問題点を解決できる「家族信託」は、新たな財産整理の形として、終活・生前整理を考えている中高年の間で注目を集めています。
家族信託は、認知症対策としても有効
家族信託は、認知症対策としても有効です。
認知症になると、自分の意志で財産を処分するということが難しくなります。後見制度もありますが、これは意思決定を手助けするという仕組みなので、不動産の売却など財産の処分に関することはできないからです。
家族信託で管理権を移しておけば、いざというときにも、家族の管理で不動産に手を入れたり、売却という選択肢をとったりできます。
何も対策をしないままでは、「介護資金に充てるため、売却したい」というときにも、手が打てなくなるかもしれないのです。不動産を運用している場合であれば、「入居者を増やすためにリフォームしたい」「地価が下がる前に売りたい」というときにも、対応できなくなってしまいます。
元気なうちに準備しておくことで、不動産に関するトラブルを減らすことにも繋がります。
生前整理の一環として、家族信託を活用してみては
不動産を持っている方など、財産の処分に不安のある方は、家族信託を活用するといいかもしれません。遺言書代わりにも使える（受益権の相続先を指定できる）ので、元気なうちに準備しておくことで、不要なトラブルを防ぐこともできます。
また、この制度を活用することで、自分の財産を守り、家族に引き継ぐことができますから、相続対策にもなります。
生前整理の一環として、「家族信託」という選択肢は大きなメリットのある方法です。また、財産の生理だけでなく、「モノ」の整理も元気なうちに取りくんでおくことで、家族への負担を大きく減らすことができます。
当社では、生前整理や福祉整理のお手伝いを得意にしています。財産について整理し、不要なものを処分することは、自分自身の人生を振り返ることでもありますし、残される家族の負担を減らすために大切な取り組みでもあります。ただ、いざやろうと思っても、実際に作業するのには体力的・精神的負担が大きいという作業でもあります。そんなときは、適切なアドバイスができるプロの手を借りるというのが有効な方法です。生前整理を考えている方はお気軽にご相談ください。
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