「孤独死レポート」から読み解く孤独死の現状
遺品整理・特殊清掃のくらしサポート でございます。
当社は、孤独死現場の特殊清掃を数多く請け負っています。東京都23区だけで1日あたり8.5人が孤独死しているそうで、全国的にも増加傾向が続いています。
悲しいことに、社会の状況から考えて、孤独死は減ることはないと思います。ただ、孤独死の現状を知ることで、いざというときに備えての心構えや、対策が打てるのではないでしょうか。
今回は、日本少額短期保険協会孤独死対策委員会が統計化した「孤独死現状レポート」の2018年版をもとに、孤独死の現状について考えてみたいと思います。
▼参考:第3回孤独死現状レポート
http://www.shougakutanki.jp/general/info/2018/news20180306.pdf
男性が8割、最多は60代
この調査は、賃貸住居内における孤独死のデータについてまとめたもの。そのため、すべての孤独死について統計調査されているわけではないのですが、全体的な傾向を掴むには十分です。
調査によると、
・孤独死の8割は男性
・死因のトップは病死(60.6%)
・自殺も多い(12.1%)
・最多は60代
・平均年齢は60歳(男性60.8歳、女性60.7歳)
・全体の4割が、現役世代の孤独死
という結果になっています。
孤独死というと、高齢者の問題と思われがちですが、データを見ても分かる通り、現役世
代の孤独死も大きな割合をしめています。仕事によるストレスも多く影響していると考えられます。晩婚化や少子高齢化により、高齢世帯も増えますから、今後も孤独死は増えていくと予想できます。
発見までの時間が短縮
孤独死の現場が発見されるまでの時間は、前回の調査より短縮されました。
データによると、最も多いのが「死後3日以内の発見」。男性は37.5%、女性は48.7%がこの期間に発見されています。女性の方が社会的つながりも多いため、比較的早く発見される傾向にありそうです。
死後14日以内に発見されるケースは、58.6%。前回調査は46%だったので、発見までの期間が短くなっていることが分かります。孤独死を身近なものとしてとらえ、周囲に気を配る人が増えた結果、異常に気づきやすくなっているのかもしれません。
孤独死現場は、発見まで時間がかかるほど現場の汚染がひどくなります。床や壁の総取り替えが必要になるケースも少なくありません。そうなると、故人も浮かばれませんし、部屋のオーナーとしても大きなダメージを受けてしまいます。原状回復費用も多額になるので、ご遺族やオーナーの金銭的負担も膨らみます。(残置物撤去と原状回復のため、平均で60万円ほどの費用がかかるそうです)
孤独死は避けられないかもしれませんが、孤独死の発見を遅らせることは避けられます。少しでも早く異変に気付ける社会にすることで、孤独死現場を巡る対応も大きく変わってくるでしょう。
孤独死現場に多く携わる職業として、孤独死の現状を正しく伝え、自分ごととして捉えてもらうのが私たちの使命の1つだと強く感じました。私たちは、孤独死された方、残された方の気持ちに寄り添い、少しでも早く楽になってもらうために、精一杯業務にあたっていきます。
孤独死現場の対応でお困りでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。